異邦人 カミュ 窪田啓作訳
最愛の犬がいなくなった人に。
別の犬でも良いでしょ。
いや慣れ親しんだ犬でないとだめだ。
それは理のあることだね。
客観的すぎるでしょ。(笑)
自分と言う人間を客観的に、機械的に見つめる主人公。
独房に捉えられているときに
恋人に「希望をもたないといけない。」と言われ
「そうなんだ。」と返すところに異常性を感じました。
ただ、私が読んだ書評には
主人公をとても悪く言うようなことが多かった気がします。私はそうは思わない。
「母が死んだ日、翌日に女と遊ぶ、人を殺しておいて太陽のせいにする。」など
時間のつながりを感じない、今その時を生きる(しのぐ)
主人公なら当然のことなのかなと思いました。
死刑判決はないなと思います。
検事の正義感ってどこかきているんだろう。
人は他人のことを永遠にわかりえない。そんなことを提起していると感じました。
文体のリズムに惹きこまれました。
不条理ってなんだろう?
死が近づいてきてようやく機械人間じゃなくなったところがポイントだと思います。