ヤル気の科学 行動経済学がおしえる成功の秘訣 著 イアン・エアース 訳 山形浩生
こういう経済学の本を読んだのは初めてでした。
読むのに一週間かかった。
つらかった。
やる気を起こすには何が必要かという問題提起から始まり、コミットメント(契約)とインセンティブ(報酬)が大事だと筆者は考えていたようです。ただ事例によって(良い・悪い)インセンティブの使いわけが大事であるようです。
失敗したら罰金という契約(悪)をしても逆にお金さえ払えば失敗してもいいという印象をあたえるし、ねずみをとった分だけ報酬を与える(良)にしても、ネズミを増やそうとする人もでてくるといった例を細かく交えながらコミットメントとインセンティブの関係性を説明していました。
「お金を預けて、失敗したらあなたの嫌いな団体に寄付しますよ」や失敗したら事前に預けておいた恥ずかしい写真をばらまくよ。」は結構うまくいくという話が面白かったです。
この本を読んで自分に生かせそうだと思ったのは、人間は残りの数字を示したほうが動いてくれるというところで、協力してほしかったら現在〇人よりもあと〇人の方が良いというところです
また、
目標を達成したら〇をあげるではなくて、くじをひける権利(確率報酬)のほうが、より被験者は行動したいという意欲が高まるというところです。
損失フレームだとリスクを高いものを人間は選びがち(600人人質がいたとして400人しぬか3分の1でみんな助かる
利得フレームだとリスクの低いほうを選ぶ(200人助かるか3分の1でみんな助かる)
この理論も実生活で使えそうだなと感じました。
最後に作者はダイエット医療や薬を開発すると表彰になるのなら
コミットメントでも本人の行動を促してダイエットできたなら表彰でもいいのではないかと締めくくっていた。薬なみにコミットメント(契約)が大事だということですね。
コミットと聞くとライザップですね。まさにこの本の示すことを日本で実現したんだなと思いました。アメリカにはこういう会社(自分の契約を第三者に審判してもらう)が普通にあるそうです。審判にもいろいろあってどんな審判が自分に合うのかを考えるという話も面白かったです。
成功は望んでいたものを得ること 幸福は得たものを望むこと
この言葉が最も自分の心にのこりました。