読書日記

アウトプット用です。

128  いい教師の条件 諸富祥彦 を読んで①

いつも通り本紹介にしようと思いましたが、実際自分が教師として働いていることもあり、書いているうちにかなり自分の考えが入り込んでしまいました。

だから感想文にして数回に分けて記していきます

 

これからの学校現場で教師に求められる資質と能力

教育現場で働く人も保護者も必読の書

 

いい教師の条件とは

 

人間関係力だとこの本では定義しています。

 

なぜなら教育は人間関係の中で行われるから。

 

子ども、保護者、同僚、管理職、本には買いていなかったけど

 

今はCSもあるので地域の人々とも関わりが必要になっています。

 

リレーション(心のかかわり)をつくっていく能力が求められるのです。

 

 

本の構成

 

1 教師の何が大変なのか

2 学校空間の悩ましき人間関係〜教員間いじめ〜

3 追いつめられる子どもたち〜いじめ、不登校

4 保護者と学校のより良い関係

5 できる教師に必要な6つの資質

 

となっています。

 

私は現役で教師をしていますが、田舎しか経験したことがないので

1章はちょっと理解できませんでした。

働く環境はやはり学校、校種で違ってくると言えます。

私の労働環境はブラックではない。

むしろかなりホワイト。

5時退勤可能ですからね。

 

あと、この本を読んで思ったのが、全体的にかなり暗いと言うこと。

確かに学校現場のありのままを語っています。

1章から4章まで読んで

これから教師を目指そうと思う人は

かなり稀だと思う。

「現在教師の方はどうかやめないで下さい」との言葉がありましたが、

本を読んだ後、モチベーションを保つにはちょっと厳しい気がします。

 

 

では、特に印象に残ったところを紹介していきます。

あくまで個人的な体験との照らし合わせと感想です。

批判がましいかもしれません。

大変申し訳ありません。

でも、1冊本を書きあげる著者の方には尊敬の念を抱いていることは確かです。

 

ポイント1

「学校事態が崩壊寸前。なぜなら人材不足、仕事量の膨大さ、同僚や管理職との人間関係の難しさがあり、教師のおかれている現状は過酷だから。」

 

他業種を知らないですが、確かに仕事量は少なくないです。

さらに「どうしても自分じゃないとできない仕事」と勝手に思ってしまうことが多いと思います。

だから当然休むことができない。

1日の遅れを取り戻すのがとても大変だからです。

 

休むことができない最大の理由は授業です。

算数、道徳、図工、音楽、書写、社会などは任せやすいですが、

前回の授業の流れがわかっていないとできない国語、生活は簡単に任せられない。

そして、国語が毎日ある時点で気安く休むことはできません。

 

理由その2は行事です。

体験学習では、公共施設との交渉、連絡調整もしなければいけない。

運動会、学習発表会の準備もそれなりにある。一ヶ月前からでは遅いくらい。

参観日もある。

そもそも、なんの行事もないという月の方が少ないかもです。

仕事が全て担任一人に集中します。

(私の所属するところは分担してくれる人がいるので助かっていますが)

 

「9割の先生は真面目」という著者。

一人で抱え込んで、バーンアウトしてしまう同僚の先生は確かに存在しています。

でも教員の仕事よりもさらに大変な仕事があります。

 

それは教頭の仕事です。

この本では教頭の仕事は「何でも屋の極み」みたいな書き方をしていましたが、私も深く同意します。

まず、自分の仕事を自分のペースで進めることが全くできません。

なぜなら教員たちはわからないことをいつでも教頭に聞くからです。

その度に仕事を中断しなければいけません。

さらに電話の大半が教頭宛てということも珍しくはありません。

仕事の流れを掴めないほどきついことはありませんね。

 

私が見てきた教頭先生で一日労働時間12時間未満の人はほとんど見たことが

ありません。

朝7時から21時くらいまでいるイメージです。

さらに土日も働いてこの労働時間。

管理職へのなり手不足問題をこの本でも指摘していましたが、当然ですよね。

出世の未来が暗い職場環境ってどうなんでしょう。

でもこれは改善しないどころかここ最近では、もっと悪くなっていきそうです。

突然のギガスクール構想実施ですからね。

休日のネット回線の工事などにも立ち会わなきゃいけないってどういうこと?

って感じです。

 

ポイント2 教員間のいじめについて

 

激辛カレー事件、記憶にまだ残っている方が大半だと思います。

「よくそんなことしている時間があるな。」と非常に不快な思いをしました。

加害教員たちはいじりの延長だと思ってやっていたようです。

「人にやっていることを子どもたちに語れるのか。」

という視点を持って欲しかった。

 

この本では、職員室内での同調圧力がいじめを止められなかった原因の一つとして

指摘されています。

 

加害教員は「頼りになる先生、指導熱心な先生」と子どもや保護者から慕われていたそうです。

 

教員の場合、できる先生には多くの仕事が任されます。

校内の仕事はもちろんのこと校外の仕事まで任されます。

普段の担任業務に加えてですから負担増です。

それでも全てをこなしている現状があります。

 

それが変な自信につながり

「俺はこれだけ仕事をしているんだぜ」という傲慢を生み、

仕事ができていない同僚を小馬鹿にするという場面はなんとなく想像できます。

 

そして普段頼りにしている分、管理職が何も言えなくなるというのもまた想像できます。

 

この悪循環は止められない。

 

「常に少数者の立場に立つことを忘れない」と書かれていましたが、そんなに簡単ではありませんね。

 

労働環境の厳しさと教員間いじめについてでした。

とりあえずここまで読んで、これから教師になりたいと思う人はやはり稀なのでは

 

次回に続く。